ーシニアに優しい収納の高さと設置場所とはー

目次
シニア世代の暮らしを快適にする収納設計の考え方
年齢を重ねると、日常の動作にも体への負担がかかりやすくなります。特に収納スペースの高さや使い勝手は、生活の質を大きく左右します。若い頃には問題なかった収納場所でも、シニア世代にとっては高すぎたり、低すぎたりすると取り出しにくく、転倒や腰痛の原因になることもあります。安全で快適に使える収納を考えることは、安心して暮らせる住まいづくりの第一歩です。
シニアに優しい収納の高さとは
無理なく手が届く範囲を基準にする
シニアの収納設計で最も重要なのは「無理なく手が届く高さ」にすることです。一般的に、座高と同程度の高さである腰の高さ(約70〜120cm)が、最も使いやすいとされています。しゃがんだり、背伸びしたりしない高さに日常的に使う物を収納することで、転倒リスクを減らせます。
高すぎる収納は使い方を見直す
つり戸棚などの高い位置にある収納は、シニア世代にとって使いにくい場所の代表です。踏み台を使わなければ届かない場所は、できるだけ使用頻度の低い物の収納に限定し、基本的には安全な高さに収納を集約するのが理想です。
低すぎる収納も注意が必要
床に近い場所の収納も、膝や腰に負担がかかりやすいため注意が必要です。特に重たい物を収納する場合は、腰より上の高さに置く方が安全です。どうしても低い位置を使う場合は、引き出し式にするなど、屈まずに物を取り出せる工夫を取り入れましょう。
収納場所の配置と動線の工夫
生活動線上に必要な収納を配置する
収納は「どこに何があるか」が分かりやすく、動線上に配置されていることが大切です。例えば、リビングでよく使う新聞や眼鏡はリビング内に、寝室では衣類やタオル類を近くに配置することで、移動距離を減らし、負担を軽減できます。
各部屋に適度な収納スペースを確保する
シニア世代にとって、「まとめて収納」よりも「分散収納」の方が便利な場合があります。物を取りに行くたびに家の中を移動しなければならない構造は、身体的な負担を増やします。各部屋に必要最小限の収納を設けておくと、日常の動作がスムーズになります。
廊下や階段付近の収納は慎重に
廊下や階段付近に収納を設ける場合は、出し入れの際に通行の妨げにならないか、安全性に配慮が必要です。特に階段の近くでの収納操作は、バランスを崩して転倒するリスクもあるため、設置場所には十分注意しましょう。
収納の種類とリフォーム時の工夫
引き出し収納の活用
扉を開けて中の物を探すタイプの収納よりも、引き出し式の収納の方が、全体が見渡しやすく、取り出しやすいです。特にキッチンや洗面所など、立ったまま使うことの多い場所では、引き出し収納の採用がおすすめです。
オープン収納と扉付き収納のバランス
オープン収納は物の出し入れがしやすく便利ですが、見た目が散らかって見えることもあります。見せる収納と隠す収納をバランスよく取り入れることで、機能性と整頓された印象の両方を得ることができます。
照明を工夫して安全性を向上
収納の中が暗いと、物を探すのに時間がかかり、無理な姿勢になることもあります。収納内に自動点灯の照明をつける、センサーライトを取り付けるなどの工夫で、安全性と利便性を高めることができます。
実際に取り入れたい収納リフォームアイデア
玄関収納の工夫
玄関では、靴や傘、外出用の道具をまとめて収納できるシューズクロークが便利です。出し入れしやすい棚の高さや、椅子に座って靴を脱ぎ履きできるベンチ収納などを取り入れることで、日々の外出がぐっと楽になります。
キッチンの収納改善
キッチンでは、吊り戸棚を使わず、腰から目の高さの引き出し収納を中心に構成すると使いやすくなります。また、調理器具や調味料の収納は、使用頻度の高いものを取り出しやすい位置に置く工夫が必要です。
寝室の収納アイデア
ベッド下の収納は、シニアにとってはかがんだり重たい引き出しを引く動作が負担になるため、できれば避けたいポイントです。代わりに、ベッドサイドに引き出し付きのナイトテーブルを設置することで、必要な物を手元で管理できます。
まとめ
シニア世代に優しい収納は、「無理なく、楽に使えること」が何よりも大切です。手が届きやすい高さに収納を設け、生活動線に沿った配置にすることで、毎日の動作がスムーズになり、転倒やケガのリスクを減らすことができます。また、リフォームを考える際は、収納の形状や操作方法、照明の工夫まで含めて見直すことで、より安全で快適な住まいになります。年齢を重ねても自分らしく暮らし続けるために、収納の見直しは今からでも始めたい住まいの改善ポイントです。